2005年06月03日

リハビリと絵画

絵画   ワタシは似顔絵を描くのが好きです。

   リアルに描きすぎて怒られてしまうことも…

   作業療法でも絵画を治療手段として使います。

   レクリエーションとしてではありませんよ。くれぐれも。

といっても、ワタシは絵画教室の先生のように絵を専門的に教えたり、過去に習っていた経験はありません。
リハビリ(作業療法)の治療手段として絵画を取り入れているということです。

もし「この花瓶の花を描きましょう!」と患者さんへのお題の設定や、上手に描くためのテクニックを伝授したとしても、
患者さんそれぞれの身体・精神機能レベルによって、できる範疇も変わってきますから、
いわゆる“作品”としての絵画とはちょっと違うかもしれません。

もちろん完成した絵は“作品”であることに変わりありませんが・・・
絵画特有の性質を生かして、リハビリで導入してみたいんですよね。


絵画などの芸術的象徴は言語や数字などの論証的象徴と比べ、
個人の主観的側面(気分、感情、躍動、欲望など)を表現し、
結果の照合よりも自己洞察をもたらす。

遊びと探索学習(共同医書出版社)より

筆圧のコントロールによって確認している感覚などが全身の固有感覚情報として湧き上がる。
それが画面に残される痕跡と同時に経験される。だからこそ快・不快、驚きと喜びといった
ダイナミックな情動体験を伴う。

環境適応(青海社)より


このような絵画特有の性質を踏まえて、座っているときの姿勢、手指の皮膚の感覚、
筆を操作する手指の動き、体幹や肩や腕の調節などを患者さんの動きに同調しながら、
ワタシ作業療法士がお手伝いしていくんです。
うーん、うまく伝わりきれませんね。スイマセン(汗)

まぁ絵画の楽しさが引き出されると、動作スピードやリーチ範囲(上肢が自由に使える範囲)が広がって、
例えば歯磨きの時に、洗面所の蛇口に自ら手を伸ばして水を出してみたりといった、
外にある環境に対しての積極的な関わりが生まれてきたりするわけです。

いかがでしょう。少しでもリハビリに絵画のような作業活動を導入する観点…伝わりましたか?
頭にはイメージできていてほぼ無意識に行えていても、言葉にすると難しいですね。
これに懲りずにリハビリと作業活動シリーズ…やってみたいと思います。
ブログに書くと、ワタシの中でもあいまいなことが明らかになっていくと思いますので(^^)
Posted by lymansagyou at 20:00
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